安仁屋事務所長の挨拶

　2020年5月31日に在アンカレジ領事事務所長に着任致しました安仁屋賢と申します。日アラスカ友好のために精一杯頑張ります。どうぞ、宜しくお願い致します。
 
　この度のアラスカへの旅は、私にとって最もドラマチックなものでした。妻幸子と私は5月29日に前任地リトアニアを出発し、新型コロナウィルスの影響による乗継ぎ不調でフランクフルト一泊、ワシントンDC一泊を経て、31日、シアトル経由アンカレジ行きアラスカ航空便に乗りました。アンカレジ行き飛行機の窓から見える景色は素晴らしく、これまで見たこともない大きな山々を間近に見る景色に圧倒され一種の恐怖さえ覚えました。・・・「当機は間も無く着陸態勢に入ります」とのフライト・アテンダントの声に「山々がこんなに近いのにどこに着陸するのか」などと慌てるうちに視界に海が開け、飛行機は徐々に下降しながら沖合いの平らな島(ファイアー島)上空をグルっと一周した後、着陸したので、ホッとしました。長旅のドラマチックな結末でした。
 
　アンカレジ到着後は州のマンデートに従い二週間の隔離生活でした。二週間も我慢できるか不安でしたが、その間多くの方々の優しい心配りに接しました。生活必需品を届けて頂いたり、夕食を作って頂いたり、「ホテル暮らしは退屈だろう」と花束を届けて頂いたりしました。
 
　そして今は隔離生活を終え、自宅に落ち着き日本とアラスカの友好を結ぶ様々な人々との人的関係をメールやインターネット等で構築しています。これまで親しい友人たちがアンカレジのあちこちの名所に連れて行ってくれましたが、中でもチャガック州立公園は印象的でした。後背の山々の前になだらかな斜面が横たわる、飛行機から見た険しい景色とはまた別の、雄大で美しいのどかな景色でした。ある友人は「冬のアラスカで死ぬのは簡単だ。アラスカで生き抜くには様々なことに気を配り準備しなければならない。たとえば、車にはいつも食料や水を積んでなければならない」と忠告してくれました。これから謙虚に色々なことに注意しながらアラスカの様々な土地を訪れ、多くの人々と交流を持って行きたいと思います。アラスカの美しい自然を安全に楽しめるよう、妻も私もベアースプレーを購入しております。
 
　幸い日本とアラスカ州には姉妹都市、JETプログラム、経済プログラム、人的関係など、様々な友好促進の契機が存在します。新型コロナウィルスの影響下、マンデートやソーシャル・ディスタンスの注意事項を踏まえつつ、皆様方が育んできたこれらの契機を活用し、更に友好を促進する方法について皆様と共に考え、実践して行きたいと思います。
 
　どうぞ宜しくお願い致します。


安仁屋事務所長略歴